iDeCoとNISA、結局どっちがお得?年収別に計算してみた

NISAは始めたけど、iDeCoはなんか怖い。「60歳まで引き出せない」って聞いて、ずっと後回しにしていました。

でも先日、会社の先輩から「iDeCo始めたら年末調整で5万円返ってきた」と言われて、急に気になり始めたんです。

調べてみたら、NISAとiDeCoは仕組みがまったく違う。どっちが得かは年収と目的で変わります。両方の口座を持って比較した結果をまとめます。

この記事の要点

  • NISAは「運用益が非課税」、iDeCoは「掛金が所得控除+運用益も非課税」
  • 年収400万円の会社員がiDeCoに月2万円×30年で、節税だけで約165万円お得
  • iDeCoは60歳まで引き出せないが、その「縛り」が老後資金を確実に貯める武器になる
  • 2027年からiDeCoの掛金上限が拡大。会社員は月6.2万円まで可能に

まるで「おこづかい」と「貯金箱」の違い

NISAとiDeCoの違いを、たとえ話で考えてみます。

NISAは「いつでも開けられる引き出し」。お金を入れて増やせるし、必要になったらいつでも取り出せます。ただし、お金を入れるとき(掛金)に税金の割引はありません。

iDeCoは「鍵つきの貯金箱」。60歳まで開けられないけれど、お金を入れるたびに税金が返ってきます。しかも中で増えたお金にも税金がかからない。

どっちがいいかは、「いつお金が必要か」で決まります。

NISAとiDeCo、何がどう違う?

比較項目新NISAiDeCo
税制メリット運用益が非課税掛金が所得控除+運用益非課税+受取時も控除あり
年間投資枠つみたて枠120万円+成長投資枠240万円会社員:月2万〜6.2万円(2027年〜)
引き出しいつでもOK原則60歳まで不可
最低金額100円から月5,000円から
扶養への影響なしなし
加入年齢18歳以上原則65歳未満(2025年〜)

最大の違いは「掛金の所得控除」があるかないか。NISAにはこれがありません。iDeCoは毎月積み立てるだけで、所得税と住民税が安くなります。

年収別の節税効果を計算してみた

「所得控除って実際いくら得なの?」が一番気になるところ。iDeCoに月2万円(年間24万円)を拠出した場合の節税額を計算しました。

年収所得税率年間節税額30年間の合計
300万円5%約36,000円約108万円
400万円10%約48,000円約144万円
500万円10%約55,000円約165万円
600万円20%約72,000円約216万円
700万円20%約72,000円約216万円

年収500万円で年間5.5万円。これは投資のリターンとは別に、掛金を入れるだけでもらえる金額です。まるで投資する前から利回り23%がついているようなもの。

住民税も含んだ金額です 上の表は所得税+住民税(一律10%)の合計節税額。住民税だけでも年間24,000円の節税になります。

「60歳まで引き出せない」は本当にデメリットなのか

iDeCoを敬遠する理由の第1位がこれ。たしかに急な出費に対応できないのは不安です。

でも逆に考えると、この「引き出せない縛り」のおかげで老後資金が確実に貯まります。NISAだと「今月ちょっと厳しいから」と崩してしまうリスクがある。実際、NISAを途中で売却している人は少なくありません。

個人的には、iDeCoの「強制力」はむしろメリットだと思っています。月2万円を30年間、絶対に触れないお金として積み立てたら、年利5%で運用できれば約1,665万円になります。

生活防衛資金(生活費の6ヶ月分)を確保した上でiDeCoに入れるのがポイント。生活防衛資金がない段階でiDeCoに全力投入するのはおすすめしません。

2027年からのiDeCo改正 — 何が変わる?

2027年1月から、iDeCoの掛金上限が大きく変わります。

加入者区分現行2027年1月〜
自営業者月6.8万円月7.5万円
会社員(企業年金なし)月2.3万円月6.2万円
会社員(企業型DCあり)月2.0万円月6.2万円(DC合算)
公務員月1.2万円月6.2万円

特に公務員は月1.2万円→6.2万円と5倍以上に。会社員も2.3万円→6.2万円で、年間の節税効果がかなり大きくなります。

受取時の「10年ルール」に注意 2026年1月から、iDeCoと退職金の両方で退職所得控除をフル活用するには、受取の間隔を10年以上あける必要があります(以前は5年)。iDeCoを先に受け取る場合はこの10年ルールの影響を受けるので、出口戦略は早めに考えておくのがおすすめです。

結局どっちから始める? — 3つのパターン

「両方やるのが最強」なのは間違いありません。でも毎月の投資に回せる金額に限りがあるなら、優先順位が必要です。

パターン1:NISAを先にやるべき人

  • 近い将来(5〜10年以内)にまとまったお金が必要(住宅購入、教育費など)
  • 生活防衛資金がまだ十分でない
  • 投資を始めたばかりで「引き出せない」に抵抗がある

パターン2:iDeCoを先にやるべき人

  • 年収500万円以上で所得税率が10%以上
  • 老後資金を確実に貯めたい
  • NISAだとつい取り崩してしまいそう

パターン3:両方同時にやるべき人

  • 毎月の余裕資金が5万円以上ある
  • 生活防衛資金は確保済み
  • 節税効果を最大化したい

迷ったら「NISA月1万円+iDeCo月5,000円」から始めるのが無理のないスタート。慣れてきたら金額を増やしていけばいい。新NISAの成長投資枠でどのETFを買うか迷っている人は、新NISAの成長投資枠でおすすめのETF5本も参考にしてください。

iDeCoで何を買えばいい?初心者の鉄板は2つ

iDeCoの商品選びは意外とシンプルです。初心者なら以下の2択でほぼ間違いありません。

全世界株式インデックス

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称「オルカン」。信託報酬0.05775%と圧倒的に安い。世界中の株式に分散投資できるので、1本で完結します。

米国株式インデックス(S&P500)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)。アメリカの主要500社に投資。過去30年の平均リターンは年約10%。米国経済の成長を信じるならこちら。

「どっちにするか決められない」なら、オルカンを選んでおけばOK。オルカンの中身の約6割は米国株なので、米国の成長もしっかり取り込めます。S&P500と全世界株式の違いについてはこちらの記事でくわしく比較しています。

よくある質問

iDeCoとNISA、両方やったら控除はどうなる?

それぞれ別の控除です。iDeCoは「小規模企業共済等掛金控除」、NISAは運用益の非課税。両方のメリットを同時に受けられます。控除が重複して損することはありません。

転職したらiDeCoはどうなる?

転職先に企業型DCがあれば移換できますし、なければそのままiDeCoを続けられます。転職のたびにリセットされることはないので安心してください。手続きは必要ですが、運用中の資産はそのまま持ち越せます。

iDeCoの口座はどこで開くのがいい?

SBI証券か楽天証券が商品数・手数料ともに優秀です。SBI証券はeMAXIS Slimシリーズが8本そろっていて、口座管理手数料も最安水準。すでにNISA口座を持っている証券会社で開くと管理が楽です。

専業主婦(主夫)でもiDeCoに入れる?

入れます。ただし所得がないと「所得控除」のメリットがないので、節税効果は期待できません。運用益非課税のメリットだけになるので、その場合はNISAを優先したほうがいいです。

まだiDeCoを始めていないなら、まずは厚生労働省のiDeCo公式ページで自分の掛金上限を確認するところから始めてみてください。投資の始め方がそもそもわからないという人は、新社会人が投資で最初にやるべき3つのことから読むのがおすすめです。