この記事の要点
- ネット証券の口座開設に必要なものは、つきつめると「本人確認書類」「マイナンバーの確認」「出金先の銀行口座」「メールアドレス」「スマホ」の5つだけです。
- マイナンバーカードが1枚あれば最強。本人確認とマイナンバー確認をこれ1枚で済ませられて、最短翌営業日に開けます。
- カードを持っていなくても開けます。その場合はマイナンバーを証明する書類+顔写真つきの本人確認書類をセットで用意します。
「よし、投資を始めよう」と思ってネット証券の申込ページを開いた瞬間、本人確認書類を選ぶ画面で手が止まる。私もそうでした。
運転免許証でいいのか、マイナンバーはどこを見るのか、写真を撮らないといけないのか。やる気が一番高い最初の5分で、書類探しに部屋をうろうろして結局その日は閉じてしまう。これ、すごくもったいないんです。
先に何がいるかを知って手元に並べておけば、口座開設の入力じたいは10分かからずに終わります。台所に立つ前に材料を全部出しておくのと同じですね。今日はその「材料リスト」を、つまずきやすい順に並べていきます。
口座開設の前に、これだけ用意すればいい
ネット証券はどこも、聞いてくることはだいたい同じです。会社ごとに細かな差はありますが、先に手元へ集めておくものは次の5つでほぼ足ります。
申込を開く前にそろえるものリスト
- 本人確認書類(マイナンバーカードか、運転免許証など)
- マイナンバー(個人番号)が分かるもの
- 出金先にする銀行口座の番号
- ふだん使うメールアドレス
- カメラと通信ができるスマートフォン
逆に、よく誤解されるけれどいらないものもあります。印鑑(ハンコ)です。昔は郵送でハンコを押した時代もありましたが、いまのネット完結型は印鑑なしで開けます。来店も不要です。
では、この中で一番つまずきやすい「本人確認」と「マイナンバー」から先にほどいていきます。
いちばん大事なのは、本人確認書類とマイナンバーの2つ
口座開設で証券会社が確認したいのは、ざっくり言うと「あなたが本当にあなたか(本人確認)」と「あなたの個人番号は何番か(マイナンバー確認)」の2点です。税金の手続きで個人番号が法律上いるので、投資をするなら必ず登録します。
ここで知っておくと一気にラクになるのが、マイナンバーカードはこの2つを1枚で兼ねるという点。顔写真つきの本人確認にもなり、裏面に個人番号も載っているからです。いわば学生証と身分証が合体したフリーパスのようなもので、これがあると提出が一発で終わります。
| 持っているもの | 本人確認 | マイナンバー確認 | 手間 |
|---|---|---|---|
| マイナンバーカード | ○ この1枚でOK | ○ この1枚でOK | いちばんラク |
| 運転免許証 など | ○ | × 別の書類がいる | 2点そろえる |
| 通知カード/番号入り住民票 | × 別の書類がいる | ○ | 2点そろえる |
表のとおり、カード以外で進めるときは「本人確認できるもの」と「番号が分かるもの」を必ずペアで出します。片方だけだと不備で差し戻され、もう一度やり直しになります。ここが一番のつまずきポイントなので、太字にしておきますね。
パスポートを本人確認に使うつもりの人は注意です。2020年2月4日以降に申請されたパスポートは住所を書く欄がなくなっていて、住所が確認できないために単独では使えないことがあります。免許証かマイナンバーカードのほうが確実です。
マイナンバーカードがない人は、どうすればいい?
「カードはまだ作ってないんだけど…」という人も、もちろん開けます。実際、私の友人もカードなしで楽天証券を開きました。やることは、番号を証明するものと顔写真つきの身分証を組み合わせるだけです。
番号を証明するほうは、次のどれかでいけます。
- 通知カード(紙のやつ。記載内容が住民票と一致している場合)
- 個人番号が記載された住民票の写し
これに、運転免許証や健康保険証などの本人確認書類を足します。組み合わせの細かいルールは証券会社ごとに少し違うので、申込画面で「この書類を選んだ人はもう1点これが必要です」と案内される指示に素直に従えば大丈夫です。
ひとつだけ正直に言うと、カードなしのパターンは郵送でのやりとりが入って数日〜1週間ほどかかることが多いです。急ぐなら、この機会にマイナンバーカードを作ってしまうのが結局いちばん早道だったりします。
銀行口座とメールアドレスも、先に決めておく
書類の話に隠れて忘れがちなのが、お金の出入り口です。
証券口座は、利益や配当を引き出すときの出金先の銀行口座を登録します。申込の途中で口座番号を聞かれるので、通帳かキャッシュカードを横に置いておくとスムーズです。本人名義の口座を用意してください。家族名義はダメです。
もうひとつがメールアドレス。ログインIDの通知や、約定(取引が成立したこと)のお知らせがここに届きます。会社のアドレスより、ずっと使えるフリーメールのほうが安心ですね。迷惑メール設定で証券会社からのメールをはじいてしまう人が地味に多いので、登録後はそこも一度確認しておくと安全です。
スマホでの本人確認(eKYC)で、つまずかないコツ
いまの主流は、書類をスマホで撮って送る「スマホで本人確認(eKYC)」です。郵送を待たずにその場で確認まで終わるので、最短翌営業日というスピードはほぼこの方法とセットになっています。
マイナンバーカードを使う場合は、撮影ではなくスマホでカードを読み取る方式が増えました。SBI証券は2024年6月17日からこの読み取りに対応していて、自分の顔を撮る作業すらいらなくなっています。かざすだけ、です。
このとき必要になるのが、カードを作ったときに自分で決めたパスワード(暗証番号)です。署名用の暗証番号は英数字まじりの長いほう、利用者証明用は数字4桁。ここを忘れている人がとても多くて、つまずきの第2位くらいに入ります。
暗証番号を何回か間違えるとロックがかかり、市区町村の窓口で解除しないと進めなくなります。あやしい記憶のまま連打せず、思い出せないときは先に役所で再設定しておくと、開設当日にあわてずに済みます。
カードを撮影ではなく読み取りで使う流れや、申込全体のステップはネット証券の口座開設のやり方をまとめた記事で画面の順にたどっています。手を動かしながら進めたい人はあわせてどうぞ。
申込画面で迷う「口座の種類」、特定口座とNISAは一緒に申し込む
書類がそろうと、もうひとつ選択肢が出てきます。口座の種類です。ここで固まる初心者がとても多いので、結論だけ先に置いておきます。
| 選択肢 | どんな人向き | 初心者のおすすめ |
|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり) | 確定申告を自分でやりたくない人 | これを選べば手間がほぼ消える |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 自分で申告して管理したい人 | 慣れてからで十分 |
| 一般口座 | 特別な事情がある人 | 基本えらばない |
迷ったら「特定口座(源泉徴収あり)」。利益が出たぶんの税金を証券会社が代わりに計算して納めてくれるので、自分で確定申告をしなくてよくなります。レジが勝手におつりの計算までやってくれる感じですね。あとから変えることもできます。
そして同じ申込のなかで、たいていNISA口座を一緒に申し込むかを聞かれます。NISAは利益が非課税になる強力な制度なので、特に理由がなければここで一緒に申し込んでおくと、あとで開き直す手間が省けます。口座の種類ごとの違いは株の始め方をまとめた初心者向けの記事でも触れています。
主要ネット証券で、必要なものは違う?
結論から言うと、用意するものは横並びでほぼ同じです。マイナンバーカードがあればどこも1枚で完結します。とはいえ細かいスピード感や本人確認のやり方には差があるので、代表的な4社を並べておきます。
| 証券会社 | カードでの本人確認 | 最短の開設 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| SBI証券 | スマホで読み取り(顔撮影なし) | 翌営業日 | 読み取り対応でいちばん手軽 |
| 楽天証券 | スマホで本人確認 | 翌営業日 | 楽天ユーザーは情報入力がラク |
| マネックス証券 | スマホで本人確認 | 翌営業日ごろ | 米国株に強い |
| 松井証券 | スマホで本人確認 | 翌営業日ごろ | サポート電話が手厚い |
どこにしようか決めきれないなら、まず「自分がよく使うサービスの系列」で選ぶのが失敗しにくいです。ポイントが貯まっている経済圏に合わせるだけでも、入金やポイント投資がぐっと楽になります。商品の中身で比べたい人はインデックス投資の基本をまとめた記事を先に読むと、口座を開いたあと何を買うかで迷わなくなります。
差し戻しになりやすい、ありがちな不備
必要なものをそろえても、最後の提出でつまずいて「不備です、もう一度」と戻されることがあります。私も一度やり直した経験があるので、ありがちなものを先に共有しておきます。
- 書類の住所と、申込で入力した住所が古いまま食い違っている
- 撮影した画像で四隅が切れていたり、光が反射して文字が読めない
- 番号を証明する書類だけ出して、顔写真つきの本人確認書類を入れ忘れる
- 本人名義ではない銀行口座を出金先に登録してしまう
多いのは住所のズレです。引っ越したのに免許証の住所変更をしていない、というパターンですね。書類に載っている「氏名・住所・生年月日」と、入力内容がぴったり一致しているか。送信ボタンを押す前にここだけ指さし確認すると、やり直しのほとんどは防げます。
開設までどれくらい?最短翌営業日になる条件
「申し込んだその日に取引できる?」とよく聞かれます。答えは方法しだいです。早い順に並べるとこうなります。
| 本人確認の方法 | 取引できるまでの目安 |
|---|---|
| マイナンバーカード+スマホで完結 | 最短翌営業日 |
| 運転免許証などをスマホで撮影 | 翌営業日〜数日 |
| 書類を郵送でやりとり | 1週間前後 |
急いでいないなら郵送でもまったく問題ありません。ただ、思い立った勢いのまま始めたいなら、マイナンバーカードとスマホの組み合わせが一歩リードします。新生活で証券口座を作る新社会人の準備は新社会人が投資で最初にやることをまとめた記事にもまとめてあるので、社会人1年目の人はのぞいてみてください。
材料さえそろっていれば、ここから先はもう作業です。今日のうちに本人確認書類とスマホを机に並べて、勢いのある5分を逃さないようにしましょう。