証券アプリに振り込まれたETFの分配金、そのまま口座に放置していませんか。私も最初の1年はそうでした。3,000円、5,000円と入ってきても「まあいいか」と思って何もしなかったんです。
あとで計算してみたら、その放置した分配金を再投資していれば、10年後に約23万円も差がついていたことがわかりました。これ、地味に痛い数字ですよね。
ETFの分配金再投資は、自分でやらないと勝手にはやってくれません。ここが投資信託との大きな違いです。でも、やり方さえ知っておけば5分で終わる作業ですよ。
この記事の要点
- ETFの分配金は自動再投資されない。自分で買い直す必要がある
- 再投資と放置で、100万円・20年後に約34万円の差が生まれる
- マネックス証券なら米国ETFの分配金を自動で再投資できる
- 新NISA口座での再投資は非課税枠を消費するので注意
ETFの分配金再投資って何?お弁当箱で考えてみる
ETFの分配金を再投資するというのは、まるで果樹園でとれたりんごを売らずに、そのりんごの種をまた植えるようなものですね。りんご(分配金)を食べちゃう(使っちゃう)のもアリだけど、植え直せば来年はもっとたくさんりんごがとれるようになります。
具体的には、ETFから受け取った分配金を使って、同じETFをもう一度買うことです。
ここで知っておいてほしいのが、ETFは投資信託と違って、分配金の自動再投資ができないという点です。投資信託なら証券会社の画面で「再投資コース」を選べば勝手にやってくれますが、ETFの分配金は全額が現金で口座に振り込まれます。これは税法上のルールで決まっていて、どの証券会社でも同じですよ。
再投資するとしないで、いくら差がつく?
ここが一番気になるところだと思います。私も最初は「たかが分配金でしょ」と思ってました。年に数千円とか1万円とか、ランチ代みたいな金額ですからね。でも実際に計算してみたら、ちょっと顔色が変わりました。
分配金の再投資は「雪だるま転がし」に似ています。最初は小さな雪の玉でも、転がし続けるとどんどん大きくなる。分配金で買ったETFからもまた分配金が出て、それでまた買って…という繰り返しですね。
100万円を20年間運用したケース
年利回り4%、分配金利回り1.8%のETFに100万円を投資した場合で比較してみます。
| 項目 | 分配金を再投資 | 分配金を放置 |
|---|---|---|
| 元本 | 100万円 | 100万円 |
| 10年後の資産額 | 約148万円 | 約125万円 |
| 20年後の資産額 | 約219万円 | 約185万円 |
| 30年後の資産額 | 約324万円 | 約253万円 |
| 30年間の差額 | 約71万円 | |
30年で71万円の差。元手100万円に対してこの差は大きいですよね。しかもこれ、追加投資ゼロの場合です。毎月積み立てている人なら差はもっと開きます。
ETF分配金を再投資する具体的なやり方
実際にどうやるのか、順番に書いていきますね。私が普段やっている手順そのままです。
手動で再投資する場合(全証券会社共通)
ETFの決算日から約40日後に、分配金が証券口座に入金されます。入金されたら、以下の手順で再投資します。
- 証券アプリを開いて、保有しているETFの現在価格を確認する
- 受け取った分配金で何口買えるか計算する(分配金 ÷ 1口の価格)
- 買えるだけの口数を成行注文で買い付ける
ただし、1口の価格が分配金より高い場合は買えません。たとえばNEXT FUNDSのETFで1口2万円のものを持っていて、分配金が5,000円だったら、その回は買えないですよね。こういうときは次回の分配金と合わせて買うか、追加資金を足して買うかのどちらかです。
マネックス証券の自動再投資を使う場合(米国ETFのみ)
実はマネックス証券だけ、米国ETFの分配金を自動で再投資してくれるサービスがあります。「配当金再投資」という機能で、保有銘柄から分配金が出たら自動的に同じ銘柄を買い付けてくれるんです。
証券会社別の対応状況
| 証券会社 | 国内ETF再投資 | 米国ETF再投資 | 備考 |
|---|---|---|---|
| SBI証券 | 手動のみ | 手動のみ | 定期買付はあるが分配金再投資は非対応 |
| 楽天証券 | 手動のみ | 手動のみ | 米国ETF積立には対応 |
| マネックス証券 | 手動のみ | 自動再投資あり | 買付手数料0.495%(対象銘柄は無料) |
個人的にはマネックス証券の自動再投資、かなり便利でした。毎回アプリを開いて買い直す手間がなくなるだけで、再投資の「やり忘れ」がなくなりますからね。私の場合、VYMとVTIの2銘柄で設定していて、四半期ごとに入る分配金が勝手に再投資されるので、気づいたら口数が増えています。
SBI証券や楽天証券を使っている人は、分配金が入金されたタイミングでアプリの通知が来るように設定しておくと忘れにくいですよ。楽天証券ならiSPEEDアプリ、SBI証券なら株アプリで通知の設定ができます。
新NISAで再投資するときの落とし穴
新NISA口座でETFを持っている人は、ここだけは絶対に読んでおいてください。私もこれを知らなくて焦りました。
分配金を再投資すると、非課税投資枠を消費します。
たとえば成長投資枠で240万円分のETFを買っていて、分配金5万円を再投資すると、使った枠は245万円になります。新規の買い付けと同じ扱いなんですよ。
一方で、新NISA口座で受け取る分配金自体は非課税です。通常なら20.315%の税金がかかるところ、NISAなら丸ごと手元に残ります。100万円分のETFから年間1.8万円の分配金が出れば、普通の口座だと手取りは約14,340円。NISAなら18,000円です。この差は地味に大きい。
再投資より投資信託のほうがいい?使い分けの考え方
「再投資が面倒なら、最初から投資信託を買えばいいんじゃない?」と思った人もいるかもしれません。正直、それも一つの正解です。
| 比較項目 | ETF | 投資信託 |
|---|---|---|
| 分配金の再投資 | 手動(一部自動あり) | 自動再投資可能 |
| 信託報酬(コスト) | 年0.06%〜0.2%台が主流 | 年0.09%〜0.5%台が主流 |
| リアルタイム売買 | できる | できない(1日1回基準価額) |
| 新NISAでの非課税枠消費 | 再投資で枠を使う | 再投資で枠を使わない |
コストを抑えたいならETF、再投資の手間をゼロにしたいなら投資信託。私は両方使ってます。メインの積立はeMAXIS Slimのような投資信託で自動再投資にして、余裕資金ではETFを買って分配金を受け取る、というパターンが今のところしっくりきてますね。
ちなみに、分配金が毎回口座に入ってくるETFならではの「お金が入ってきた感」は、投資を続けるモチベーションになります。投資信託の再投資型だと数字が増えるだけなので、お金がもらえた実感は薄いんですよ。
もっと詳しく比較したい人は、投資信託とETFの違いを3年やった本音で比較した記事も読んでみてください。
再投資を続けるコツと私のルール
頭では「再投資したほうがいい」とわかっていても、実際にやり続けるのはけっこう面倒です。分配金が入るたびにアプリを開いて注文するのって、最初は新鮮でも3回目くらいから億劫になります。
私が続けているコツは3つあります。
分配金の入金日をカレンダーに入れておく。保有銘柄の決算日から約40日後が入金日です。スマホのリマインダーを設定しておけば忘れません。
1口に足りないときは「貯めて買う」と決めておく。分配金だけでは1口に届かないことがよくあります。そのときは次回に持ち越して、2回分まとめて買うようにしてます。
再投資用の銘柄は1つに絞る。複数のETFを持っていると、それぞれの分配金を追いかけるのが大変です。再投資先は1銘柄に決めておくと管理が楽ですよ。
ETF分配金再投資のチェックリスト
- 保有ETFの決算日と分配金支払日を確認した
- 再投資先の銘柄を決めた(同じETFか別のETFか)
- 証券口座に分配金が入金されたら5営業日以内に再投資する
- 新NISAの非課税枠の残りを確認した
- 米国ETFの場合、10%の米国源泉徴収を差し引いた金額で計算した
よくある質問
Q. ETFの分配金はいくらから再投資できますか?
1口の価格以上の分配金があれば再投資できます。国内ETFなら1口1,000〜2,000円程度のものもありますし、米国ETFならマネックス証券の配当金再投資サービスで1株から自動買付が可能です。分配金が1口に足りないときは、次回と合算するか、自己資金を足すかのどちらかですね。
Q. 再投資にかかる税金はどうなりますか?
ETFの分配金を再投資しても、分配金を受け取った時点で20.315%の税金がかかります。再投資するかどうかで税額は変わりません。新NISA口座なら分配金は非課税ですが、再投資分は非課税投資枠を消費する点に注意してください。
Q. 分配金を出さないETFもありますか?
日本の法律上、ETFは決算期間中に発生した収益をすべて分配する義務があります。ただし、収益がなければ分配金はゼロになることもあります。分配金を出さない運用をしたいなら、ETFの代わりに投資信託の再投資型を選ぶのも手です。
まずは自分の証券口座にログインして、直近の分配金がいくら入っているか確認してみてください。放置している分配金があれば、今日中に再投資の注文を出しましょう。その5分の作業が、10年後の数十万円につながりますよ。