損出しのやり方 完全ガイド 2026|年末の節税テクニック・NISAの注意点・繰越控除まで

「年末になると損出しって言葉をよく聞くけれど、実際にどうやればいいの?」「NISAでもできるの?」と迷っていませんか。

損出しは、まるで1年分の家計簿をシメる前にレシートを整理するようなもの。上手に使えば、本来支払うはずだった税金が口座に戻ってきますよ。

この記事では、2026年の損出しのやり方を、初心者の方にもわかりやすく解説していきますね。同日売買の落とし穴や、NISAでやってはいけない理由、3年間の繰越控除まで、まるっとカバーします。

損出しとは?まずは仕組みをやさしく理解しよう

損出しとは、含み損のある銘柄をいったん売却して損失を確定させ、利益や配当と相殺することで税金を取り戻すテクニックのことです。

たとえば、A株で30万円の利益が出ていて、B株に20万円の含み損があるとします。何もしなければA株の利益30万円に対して約20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金、つまり約6万円が源泉徴収されます。

ここでB株を売却して20万円の損失を確定させると、利益と相殺されて課税対象は30万円−20万円=10万円に。税金は約2万円になり、差額の約4万円が口座に還付される、というわけです。

まるで2つの財布の中身を入れ替えて、税金を節約するような感覚ですね。

なぜ12月に損出しをするの?年末がベストな理由

損出しが年末に注目されるのは、1月1日〜12月31日の損益が1年分の税金計算の対象になるからです。

1月にスタートして12月で年度がシメられるので、含み損を翌年に持ち越すよりも、その年の利益と相殺したほうが節税効果がすぐに出ます。配当金とも自動で損益通算されるので、配当をたくさん受け取った年ほど効果が大きくなりますよ。

2026年の年内最終取引日に注意

株式の損益は受渡日(じゅわたしび)ベースで年度判定されます。受渡日とは、約定日(売買が成立した日)から2営業日後のこと。つまり、12月の最終営業日に売っても、受渡が翌年1月になってしまえば翌年の損益として扱われます。

過去の例では、2025年は12月26日(金)が国内株式の年内受渡対象の最終売買日でした。2026年については、東京証券取引所の大納会(おおのうかい)の2営業日前が年内損益確定のリミットになる見込みです。実際の日付は11〜12月頃に各証券会社から発表されるので、早めに確認しておきましょう。

余裕をもって12月中旬までに損出しを終えておくのが安心ですよ。

損出しのやり方 5ステップ(特定口座・源泉徴収あり)

もっとも一般的な「特定口座・源泉徴収あり」でのやり方を、順を追って見ていきましょう。

  1. 年間損益を確認する 証券会社の管理画面で「実現損益」と「配当金合計」をチェック。プラスならいくらまでの損失を出すと相殺できるかを把握します。
  2. 含み損のある銘柄を選ぶ 業績や将来性に問題がなく、長期保有を続けたい銘柄を中心に選ぶのがおすすめです。
  3. 売却して損失を確定させる 成行または指値で売却。受渡日が年内になることを確認しましょう。
  4. 翌営業日以降に買い戻す(任意) 同じ銘柄を持ち続けたい場合は、必ず翌営業日以降に買い戻します。同日売買は要注意(詳しくは次の章で)。
  5. 還付を確認する 利益と相殺されて還付がある場合、その年の途中であれば源泉徴収額がリアルタイムで調整されます。配当との通算分は、翌年1月初旬に証券口座へ入金されます。

同日売買の落とし穴|取得単価が平均化される

損出しで一番よくある失敗が、同じ日に売って同じ日に買い戻してしまうケースです。

特定口座では、同日売買の場合、約定の順番に関係なく「買い」が先に処理されて取得単価が平均化されてしまいます。これにより、想定より損失が小さくなり、節税効果も縮んでしまうのです。

具体例で見る平均化トラップ

ケース取得単価確定する損失
1,000円で買った株を600円で売却(翌営業日に買い戻し)600円40,000円(100株想定)
同日に600円で売却→600円で買い戻し800円(平均化)20,000円のみ
同日に600円で買い増し→600円で売却800円(平均化)20,000円のみ

表のとおり、同日売買だと損失がほぼ半分になってしまいます。買い戻しは必ず翌営業日以降にしましょう。

同日売買を避ける3つの方法

  • 翌営業日まで待つ 一番シンプルで安全な方法。ただし株価が動くリスクあり。
  • 一般口座で買い戻す 一般口座は特定口座と平均化計算が分離されます。ただし確定申告が必要に。
  • クロス取引(信用売り+現物買戻し) 信用口座を使えば同日でも価格変動リスクを抑えられます。手数料・金利には注意。

NISA口座では損出しはできない|やってはいけない理由

結論から言うと、NISA口座での損出しは意味がありません。それどころか、デメリットしかありません。

NISA口座はもともと税金がかからない非課税口座です。利益にも税金がかからない代わりに、損失も「税法上ないもの」として扱われます。つまり、NISA口座で損失を出しても、特定口座の利益や配当と相殺できないのです。

NISA口座での損失処理 早見表

処理内容NISA口座特定口座
利益への課税非課税約20.315%
損失の損益通算不可可能
3年繰越控除不可可能
損出しの効果なし(手数料だけ損)あり

NISA口座で含み損になっている銘柄は、無理に売らずに長期保有を続けるか、本当に手放したい場合のみ売却するのが基本ですよ。

還付はいつ受け取れる?タイミング別の整理

損出しによる還付のタイミングは、相殺する相手によって違います。覚えておくと安心ですね。

株式同士の損益通算(売却益との相殺)

特定口座・源泉徴収ありなら、売却のたびにリアルタイムで計算されます。年初からの累計損益で源泉徴収額が自動調整され、損失が出れば徴収済みの税金がその場で口座に戻ってきます。

配当金との損益通算

配当金との通算は、年末にまとめて計算されます。還付金は翌年1月初旬の営業日に証券口座へ入金されるのが一般的です。

確定申告経由の還付

複数の証券会社をまたいで損益通算したり、繰越控除を使う場合は確定申告が必要です。電子申告(e-Tax)なら3週間程度、書面申告なら1〜1.5ヶ月程度で還付金が入金されます。

譲渡損失の3年間繰越控除を活用しよう

損出ししても利益と相殺しきれなかった損失は、翌年以降3年間にわたって繰り越して翌年以降の利益や配当と相殺できます。これが「譲渡損失の繰越控除」です。

たとえば2026年に100万円の損失が出て、その年の利益と相殺できなかった場合、2027年・2028年・2029年の利益から最大100万円を控除できます。

繰越控除を使うための3つの条件

  1. 損失が出た年に必ず確定申告をする(特定口座・源泉徴収ありでも申告が必要)。
  2. 翌年以降も毎年連続して確定申告を続ける(取引がなかった年も「ゼロ申告」が必要)。
  3. 申告書付表(損益通算及び繰越控除用)譲渡所得等の計算明細書を添付する。

申告を1年でも忘れたら?

残念ながら、連続申告が途切れた時点で繰越控除の権利は消滅します。証券会社が発行する年間取引報告書をもとに、e-Taxで毎年1回申告するだけなので、忘れずに続けましょう。

損出しのよくある失敗例 TOP5

初心者がやりがちな失敗をまとめました。事前にチェックして対策しておきましょう。

  • 失敗1:同日売買で取得単価が平均化された 買い戻しは必ず翌営業日以降に。
  • 失敗2:NISA口座の銘柄を損出ししてしまった NISAでは効果ゼロ。特定口座の銘柄のみ対象。
  • 失敗3:受渡日が翌年になり当年の節税に間に合わなかった 12月中旬までに完了させる。
  • 失敗4:買い戻したら株価が急騰して取得単価が高くなった 必ず買い戻す必要はない。手放してもOKな銘柄を選ぶのが基本。
  • 失敗5:繰越控除の連続申告を忘れた 翌年以降も毎年申告。スマホのカレンダーに登録を。

損出しがおすすめな人・おすすめでない人

こんな人損出し理由
特定口座で年間利益+含み損ありおすすめそのまま節税効果が出る
配当金を多く受け取っているおすすめ配当との通算で還付が増える
含み損が大きく利益と相殺しきれないおすすめ3年繰越控除で来年以降に活用
NISA口座だけで運用不要非課税なので効果なし
その銘柄を売りたくない慎重に同日売買の罠・株価変動リスク
取引手数料が高い証券会社要計算手数料が還付額を上回ることも

FAQ|損出しのよくある質問

Q1. 損出しのために売った銘柄を、絶対に買い戻さないとダメですか?

いいえ、買い戻す必要はありません。むしろ、業績悪化など売却する正当な理由があるなら、そのまま手放すのが自然です。買い戻すかどうかは、その銘柄を今後も保有したいかで判断しましょう。

Q2. 損出しは年間何回までできますか?

回数の制限はありません。1年中いつでも可能ですが、年末にまとめて行うのが効率的です。ただし、頻繁に売買すると手数料が積み上がるので、年に1〜2回が現実的でしょう。

Q3. 信用取引のクロス取引って何ですか?難しいですか?

同じ銘柄を「信用売り」と「現物買い戻し」で同時に行い、価格変動リスクを抑える方法です。同日に処理しても取得単価が平均化されにくいメリットがありますが、信用取引口座の開設・金利・貸株料がかかるので、慣れていない方は翌営業日買い戻しのほうがシンプルでおすすめです。

Q4. 損出しした年に確定申告は必要ですか?

特定口座・源泉徴収ありの場合、その年に利益と相殺できれば申告は不要です。ただし、相殺しきれない損失を翌年以降に繰り越したい場合や、複数の証券会社をまたいで通算したい場合は確定申告が必要になります。

まとめ|2026年の損出しチェックリスト

  • 11月までに年間損益・配当金額を把握しておく
  • 12月中旬までに損出しを完了させる(受渡日が年内)
  • NISA口座の銘柄は対象外と覚えておく
  • 同日売買は避けて翌営業日以降に買い戻す
  • 相殺しきれない損失は確定申告で3年繰越
  • 繰越控除を使うなら翌年以降も毎年連続申告

損出しは、まるで年末の大掃除でいらないものを処分しながら、ちょっとしたお金も取り戻すような節税テクニックです。ルールさえ押さえれば誰でもできるので、2026年は計画的に活用してみてくださいね。

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